パケリ通信2017/10『こころの記号と記憶の図書館』

PAKKERINO
2017/10






 特別なものは箱の中。それは和菓子の箱だったり、クッキーの缶だったりするのだけれど、鍵はかかっていなくて、ボタンやビーズ、かたっぽだけのピアス、走り書きのメモ、とりとめはなく、大切で、普段は忘れているのに、蓋をあけると思い出す。何気ないけれど特別な入れ物。ポケットだってそうだ。カーディガンのポケット。コートのポケット。秋のポケットは、どんぐりポケット。松ぼっくりを入れるには、すこし狭いかもしれない。魔法の隠し場所。でも、何より不思議で、秘密めいた入れ物がある。しかも、ふたつ。それは、誰もが持っていて、それでいて、誰も見たことがない。ひとつは、からだの真ん中にあるかもしれなくて、心臓の形であらわしたりもするけれど、ほんとうのところはわからない。もうひとつは、からだのてっぺんにあるかもしれなくて、これまでに見たものすべて、聞いたものすべて、考えたことすべてが所蔵されている、世界で一番の私設図書館みたいだと聞くけれど、これもやっぱり、ほんとうのところはわからない。


10月のPAKERIは『こころの記号と記憶の図書館』。特別な入れ物から取り出した品々が登場します。裁縫箱からは『伊勢木綿の針山はりねずみ』。記憶の図書館からは、四季の記憶からこぼれおちた『memep』たちが、こころの記号からはおいわいのこころをあらわす『犬筥さん/猫筥さん』たちが、のんびり姿をあらわします。