1.四人組が庭屋敷町にたどりつく。

PAKERI(パケリ)は、鳥の巣頭のmemeとチョコレートが大好きなテントウムシ、こがらな茶色のくまと、カシパンの骨の四人組のお店です。
あきなうものはヨーヨーキルトとアートピース。もしかしたら、そのほかにも。

場所は庭屋敷町ユリノキ通りモッコウバラアパート一階。名前の通り、モッコウバラがつたう古びたアパートです。四人はお店の場所を探して、こがらな茶色のくまが運転する車に乗って、長い間旅をしていました。車の色は緑色。トランクは荷物ではちきれんばかり。こがらな茶色のくまはロープをかけました。おっこちるといけませんから。

車はみどりのいなずまの様に走りました。こがらな茶色のくまの運転の腕前は見事なものです。鳥の巣頭のmemeは助手席で本を読み、カシパンの骨は鞄の中でうとうとして、テントウムシは後ろの席でチョコレートをむしゃむしゃ。

雲につきささるようなビルが立ち並ぶ大都会を行き過ぎ、家のあかりがぽつぽつと、まばらにともる田舎を走り抜けました。街から町へ、昼から夜へ。心にかなうその場所を探して、四人は旅をつづけたのです。

そしてある日、とうとう庭屋敷町にたどり着きました。

どうして庭屋敷町が、その場所だとわかったかは簡単です。四人とも一目でここが気に入りましたし、鳥の巣頭のmemeの鞄の中で、カシパンの骨が「ドゥークス!」とつぶやいたからです。それはグリムのおとぎ話の時代から(よろしい!)という合言葉なのです。

庭屋敷町は、その昔、ある大きなお屋敷の庭だった場所が、いつの間にか町になったという不思議な場所です。通りには街路樹や植物の名前がつき、人も動物も言葉をはなして暮らしています。

四人が店を開くことになったモッコウバラアパートの一階は、かつてパン屋さんでした。BAKERYという看板は時をへて雨風にさらされて文字が欠け、PAKERIと読めました。


BAKERY ☛ PAKERI


PAKERI ――パケリ。なんとも楽しそうな響きではありませんか!四人はこの名前が気に入って、それをお店の名前に使うことにしました。

小さなアパートの一階で、鳥の巣頭のmemeは縫い針をちくちく動かし、こがらな茶色のくまはレジに立ち、カシパンの骨は電話番、テントウムシはチョコレートを食べています。アパートの上階に暮らすマトリョーシカの娘さんたちが店番を手伝ってくれることが決まっています。

これが、PAKERIのおはなしです。いいえ、はじまりのおはなしです。PAKERIのおはなしは、これからどんどん続いていくのですから……。